本年度は、国内、とくに衆参両院への女性のリクルートについて検討した。 日本では、参議院で女性比率が高く、衆議院では5%どまりである。また都道府県議会はそれより低く、大都市の議会で進出が多く、町村議会ではまた減っているというように、二段重ねの逆ピラミッド形をなしている。地方での女性の立候補しにくさを、問い直す必要がある。 女性国会議員議員(OG含む)へのインタビューでは、立候補への勢いや、再選され続けるための大きな努力の必要性が明らかとなった。また、民主党では98年から女性議員候補公募などをはじめたこと、共産党では82年に女性議員強化の方針が出されたこと、公明党では地方議員の5割を女性にすることを目標にしていること、自民党では衆議院の小選挙区比例代表並立制の導入によって現職男性議員が各小選挙区支部長を努めるようになり、女性の立候補を阻む壁が厚くなってる事情などが明らかになった。 さらに、来年度刊行予定の共著に向けて、「女性と政治過程(マドンナ・ブーム)」を執筆中で、各政党の機関誌紙にあたり、86〜91年の女性の政治進出における土井社会党委員長の役割の大きさを再確認した。 外国の事例については、特にフランスで、ヨーロッパ議会や市長村議会に女性の進出がめだつこと、女性高級官僚の政府役職への抜擢が、議員への道にもなっていること、同国で男女同等の政治参加をうたった「パリテ」条項が憲法にもりこまれたことなどを、情報収集した。
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