研究概要 |
本研究は、言葉における政治的なメッセージの内容や特徴、政治的レトリック,演説におけるシンボルやメタファーなどの日本における使われ方が、いかに大衆の情感に訴えているかを調べ、分析し、さらに欧米諸国との国際比較を行って類似点や相違点の比較を試みている。 具体的には、日本の政治家の言葉遣いの特徴をつかむため、全国紙や週刊誌、専門誌などのマスコミを材料として、政治家のインタビュー記事や演説(首相の所信表明演説)などの内容分析を行った。そこでどういった言葉やシンボル、メタファーなどが頻繁に用いられるを検索し、その役割について考察した。さらにマスコミの記事に使われる言葉、レトリックなど対しても同様の分析、考察を行い、政治的『現実』の構築について総合的な検証を行った。また、政治家(特に国会議員)や秘書に対しても、頻繁に個人的なインタビューを行い、彼らが有権者や同僚議員、官僚、記者など相手によってどのように言葉を使い分けるか、またシンボル、メタファーがメッセージの中でどのように使われているか調査した。 これらの調査をもとに、平成12年には国際政治学会、およびアメリカ、イスラエル、オランダ、デンマークでの研究集会で研究発表を行った。そういった機会に比較言語、比較文化を専門とする研究者と意見を交換したり、データの比較などを積極的に行い、様々な意見や助言を受けながら、現代社会における政治レトリックの特徴と役割について国際比較研究の本を編集し、政治言語についての一般理論を構築を試みた。
|