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平成11年度の研究は、基礎的な研究に主力を注いだ。日本国内にある文献のうち、京都大学人文科学研究所や天理大学など、関西のものを調査し、またソウルにもいちど行って多数の文献を収集した。日本語・ハングル共用のノートパソコンを購入して持ち歩いたが、実際に非常に便利であることを確認した。今年度の具体的成果としては、「韓国の日本思想受容の問題点」という論文を書き、3月に神奈川大学人文学研究所紀要に掲載されることになった。また単著として『現代韓国の思想と知識人』(400字600枚)を書き上げた。実際の出版は5月か6月になる予定であるが、主として1980年代、そしてとくに90年代の韓国の思想の流れを扱っている。これは当初予定したように、現代韓国の保守と革新(進歩派)という視点から現代韓国の政治意識および思想の流れを整理したものである。ただ、ここでは、思想における反日・新日の絡み合いや日本観といった問題は必ずしも大きくは取り上げなかった。あくまで今後の研究の基礎的研究という位置づけである。
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