研究概要 |
1.最適な都市内土地利用に関する文献としてSolow-Vickrey(1971),Mills-Ferranti(1971),Legey-Ripper-Varaiya(1976)、Robson(1976)、Kanemoto(1980),Wheaton(1978)などをサーベイし、既存研究の成果・問題点を整理した。この結果、これらの研究は主として米国の都市のように自家用車による通勤交通を前提とした分析となっており、わが国のように通勤用の鉄道網が併存している都市ではそれぞれの交通モードの特性に着目した複数モード下の最適土地利用配分を考察しなければ、都市交通政策を立案・検討する理論的指針とは成り得ないことを確認した。 2.交通モードとして従来型の自動車通勤に加えて電車を想定した放射型の公共交通機関まで自宅から自家用車でアクセスするパーク・アンド・ライドの選択肢を組み込んだ複数交通モードの理論モデルを試作・定式化し、簡単な比較静学分析を行った。このモデルをプロトタイプとしてさらに彫琢を加えていく予定である。 3.日本の都市圏における土地利用データの収集・整理については、東京大学空間情報科学研究センターなどに問い合わせを行い、同センター所蔵の地理情報システム化したデータの利用可能性について検討した。今後、同センターとの協議を進めデータの視覚表示の方法等について検討する予定である。
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