| 研究概要 |
第一年度は、主に理論モデルの構築と、実証研究のためのデータ構築をおこなった。利用したのはAriga,Brunello and Ohkusa(1999)で分析した、ある企業の人事パネルデータである。このデータを加工して、企業の成長・労働市場での地位、企業業績の変化、労働需要の変動などと、新卒・中途採用それぞれがどのように影響を受け、また、昇進政策に与えた影響がどのようなものであったかを分析した。特に、水平的な部門間異動と、昇進昇格という垂直定期異動とを同時に捉えられるため、所属部門や職務についての詳しいコード化を行った。また、準備作業の一貫として、採用政策と職務訓練の制度変革について、幾つかの企業の人事担当者から聞き取りをおこなった。理論面では、労働市場におけるlearning(労働者の能力や適性に関する学習)と技能形成の過程を連結するモデルを構築した。また中間報告的な成果の一部を有賀(1999)に発表した。
Ariga,K.,G.Brunello,and Y.Ohkusa,"Fast Track:Is it in the Genes?The Promotion Policy of a Large Japanese Firm,"Journal of Economic Behavior and Organization(1999)
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