第1論文 一国の下流部門における不完全競争が国際貿易を通じて他の世界に影響する過程を扱うことのできる貿易モデルを構築する。この目的のため、国際的に貿易される財を生産の垂直的連鎖における中間財と見なす。中間財は上流で生産され、下流で最終消費財に転換される。そのモデルを使い、一国の下流部門における競争の抑圧は近隣窮乏化政策として作用すること、すなわちその国自身の効用を上げる一方で貿易相手国の効用を下げることの可能性を示す。 第2論文 多くの場合、ダンピングは国内製品からそれと競争する新しく国内市場に導入された外国製品への大規模な需要シフトを伴う。この論文ではそのような需要シフトをモデル化する新しい方法を提示する。新しい製品の独占的供給者は限界費用よりも低い価格で販売するかもしれないことを示す。この結果は限界費用ダンピングと呼ばれるものに対する新しい説明となる。
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