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2001 年度 実績報告書

非線形動学の方法による経済変動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11630020
研究機関早稲田大学

研究代表者

稲葉 敏夫  早稲田大学, 教育学部, 教授 (30120950)

研究分担者 田中 久稔  早稲田大学, 政治経済学部, 助手 (00339665)
藁谷 友紀  早稲田大学, 教育学部, 教授 (20267462)
笹倉 和幸  早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (90235284)
三沢 哲也  名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (10190620)
松本 昭夫  中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
キーワード経済変動 / 非線形差分方程式 / カオス / ノイズ
研究概要

研究の最終年度にあたり、これまでの研究を一層進展させるとともに3年間の研究成果を纏めた。
貿易と資本移動を通じて相互依存の関係にある2国経済モデル(5次元の非線形差分方程式体系)では、固定相場制および変動相場制の下で、景気循環の同期現象・非同期現象を始めとして多様な関連があり得ることを多数の数値例によって示した。2国の所得調整速度が同一であれば、多くの場合2国の景気は同じ動きを示し、同期するが、初期値を変更することによって2国の好況・不況が完全に逆転して現れることもあり得る。この場合にはノイズ摂動によって系の挙動が大きく変わることも示された。2国の所得調整速度の差異が大きくなればなるほど、短期的な同期現象は崩れ、逆相現象が顕著になるものの、中・長期的な波としては同期が見られることを示した。
2次元モデルの連続系については、局所的性質をあらわすホップ分岐定理と大域的性質に係わるポアンカレ・ベンディクソン定理の両者を組み合わせて使うことによって、局所的観点からは切り捨てられていた場合も議論の対象となり得ることを示した。1次元差分型モデルにおいては、在庫変動がカオスを示す状態は厚生を改善し得ることを示すことで、カオス的な状態は必ずしも好ましくないものではないことを明らかにした。一般に、非線形確率微分方程式で記述される系を陽に解くことは困難であるが、系の持つ動学的特性を保つ新しい数値近似を提唱した。また、非線形手法の一つとして、パーコレーションモデルを用いて株価変動を分析した。
以上の研究成果は、研究課題に係わる研究会を始めとして京都大学数理解析研究所の報告会や国士館大学での国際ワークショップにおいて報告した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 稲葉敏夫, 浅田統一郎, 三沢哲也: "Nonlinear Macroeconomic Dynamics : A study of Noise Effects"電子情報通信学会・信学技報. NLP2001-64. 79-88 (2001)

  • [文献書誌] A.Matsumoto: "Can Inventory Chaos be Welfare Improring?"International J. of Production Economics. Vol.71. 31-43 (2001)

  • [文献書誌] T.Misawa: "A Lie Algebraic Approach to Numerical Integration of Stochastic Differential Equations"SIAM J. Sci. Comput.. Vol.23,No.3. 866-890 (2001)

  • [文献書誌] H.Tanaka: "Iterated Elimination and No Tracle Theorem"京都大学数理解析研究所講究録. 1215. 182-194 (2001)

  • [文献書誌] H.Tanaka: "A Percolation Model of Stock Price Fluctuations"京都大学数理解析研究所講究録. (近刊). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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