循環型社会の形成には、(1)廃棄物の発生を抑制し、(2)静脈系であるリユース・リサイクルを促進させることが必要である。本研究では、全廃棄物の9割を占める産業廃棄物に対して、産業廃棄物管理票をもととして課税するための技術的検討を行う。さらに、廃棄物課税による循環型社会形成の効果を測定する。 廃棄物税のようなバッズ課税において、常にモニタリングという技術的な課題が立ちはだかってくる。産業廃棄物の場合、97年改正廃棄物処理法により産業廃棄物管理票を交付することが義務付けられた。課税技術的には、この管理票を課税モニターの基本ツールとすることができるようになった。さらに、2000年改正廃棄物処理法では、この管理票により、排出事業者は最終処分まで責任を持つこととされ、中間処理の段階で排出事業者責任が切れてしまう従来の法規の欠陥が改められた。本改正により、産業廃棄物管理票を使用して、最終処分までを含めた様々な課税方法が可能となった。 今年度は、産業界別で最も排出量が多い建設廃棄物の課税技術的分析を行った。次年度は、課税による建設廃棄物の排出抑制効果をシミュレーションで測定する。
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