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1999 年度 実績報告書

中東産油国における金融システムの安定性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11630044
研究機関徳島大学

研究代表者

水島 多喜男  徳島大学, 総合科学部, 助教授 (10219628)

キーワード中東 / 産油国 / 金融 / 危機 / イスラーム / 国民経済 / 経済
研究概要

国民経済における金融システムの安定性にかかわる議論を叙述する前提として、先行論文に見られた国民経済概念の不明瞭さを明確なものに改めるための検討を行なった。その結果、1.大塚久雄における国民経済概念は、多数の小国が存在する現状においては、それら小国を含む形に拡張する必要がある。2.国民経済概念の核心は、分業体系の持つ自立性ではなく、領域内の土地所有の存在、あるいは、為替政策を含む国際収支管理政策の存在などにより、規定されるべきである。3.自立性を持つ分業体系がもたらす政治的独立・民主主義、などの影響は、小国の場合、経済関係を取り結ぶ国家集団における問題として再構成されるべきである、との認識を得た。これについては学部・社会科学ディスカッション・ペーパ-第2号『「国民経済」概念の再検討について』にまとめた。
イスラーム金融制度については、アダム・スミス『国富論』とバーキルッ=サドル『イスラーム経済論』を比較し、イスラーム経済体制論全体の持つ理論的な弱点として国際貿易、外国為替管理、など、国民国家間の経済関係を管理する理論的視点の欠落がある、という知見を得、『現代の中東』に掲載した。
このほか、イスラーム金融機関の発展と、制度上内包する問題点の概略についても、上記ディスカッション・ペーパー第3号『1980年代までのイスラーム金融業の発展』にまとめた。ここでは、イスラーム金融体制が事業と直結するため、世界的な株価の変動、景気変動の影響を直接被るという危険性が確認された。これらディスカッション・ペーパーについては、補足の上、雑誌論文として投稿予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 水島 多喜男: "イスラーム経済体制論の基本性格"『現代の中東』. No.27. 88-107 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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