研究概要 |
今年度に関しては、環境R&D政策と内生的経済成長の問題を、かなりの部分、共同で研究を開始した。研究代表者である大住は、再生可能資源の動態的システムに関する数理的研究とR&Dと内生的,経済成長の問題の理論的研究を行なった。再生可能資源の動態的システムの数理的研究については、コロンビア大学のG.M.Heal教授を訪問し、数度にわたって、ディスカッショオンを行ない、共同論文を執筆中である。具体的には、生産を伴う再生可能資源の動態的モデルにおいて、均衡経路(あるいは最適経路)のOSS(Optimal steady state)への大域的収束性に関する数理的帰結を導出している。R&Dと内生的経済成長の問題については、片桐氏と南充鉉 (大住研究室の大学院生)とともに論文を完成し、発表している。その論文の中で、3つの政策が提案されている。第1の政策として、政府がR&D部門で創出されたアイデアを利用して製造される中間財の価格に与える補助を行なうアイデアの創出振興政策が提示される。次に、第2の政策として、アイデアの価格に補助を与え、アイデアの創出を振興する政策が提示される。第3の政策としてR&D部門の費用の一部に補助を行なうことにより、アイデアの創出を振興する政策が展開される。さらに、大住は伊ヶ崎大理(院生)と環境政策を内生的経済成長の問題を検討し、日本経済学会で共同論文の報告を行なっている。片桐は、単独では、R&Dと内生的経済成長に関する論文を発表し、サイクルが生じる可能性に関する詳細な分析を開始している。大坂は、環境に関する論文を執筆するとともに、環境と成長に関する研究会に出席し、多数のデータを収集し、次年度以降の実証分析を行う準備を着々と整えている。さらに、共同研究を行ない、各自が得た知見について意見を交換した
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