スリランカにおける日本政府の開発援助(ODA)は過去20年間で急速に増加している。現在、スリランカの対海外援助額の半分以上は日本からの援助であり、日本の援助対象国の中で、スリランカは第9位(累計額)となっている。また、日本からの援助を受給国の中でスリランカの一人当り援助額で見ても極めて高い。それによって、日本の援助は援助を受取り側(Demanding Side)だけでなく、援助を出す日本側(Supply Side)にとっても非常に重要な問題である。 日本のODAの約半分を占めている技術援助、その中でも青年海外協力隊員の活動はスリランカの農村経済・社会発展のため大きな役割を果たしている。例えば、昨年同課題について行われた資料調査および聞き取り調査によると、若手の隊員が525人以上(累計)を派遣され、彼らの多くは農村社会で村民と一緒に住みながら様々な職業の指導を行われている。多くの隊員が農村の文化や言語、習慣、生活のパターンを学びながら村民社会の一員となり、生活水準を改良するために必要な技術のノウハウを教えている。このような活動はマクロ経済のレベルで見ると非常に小さい。しかし、ミクロレベルで見ると非常に大きな貢献していると言える。 隊員と農村社会の人々の意見によると、農村社会が期待している専門家隊員はあまり多くないのが現状である。例えば、スリランカの農村の多くは農業と農業と関連する農産物加工産業の発展に関する技術とその指導が期待されている。しかし、そのような経験を持った隊員は多くない。最後に、その指導を中心した経済・社会活動はどのようにマクロ経済の連鎖ができるかによって村民の経済的安定と結びついている。しかし、これは短期間で活動を行う少数の隊員がどこまで可能かについて検討する必要がある。
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