研究課題/領域番号 |
11630063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
鎌田 繁則 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (70214509)
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研究分担者 |
赤木 博文 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (30254270)
森 徹 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (60134160)
稲垣 秀夫 四日市大学, 経済学部, 教授 (70159937)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 介護基盤整備 / NPO / 営利企業の参入 / サービスの質 / 実験経済学 |
研究概要 |
我々は、各自治体が策定した高齢者保健福祉計画にもとづいて、東京、大阪、名古屋の三大都市圏における介護基盤整備の遅れを明らかにした。そこでは、特に通所介護施設や短期入所施設など多額の施設建設費を必要とする在宅介護施設の整備の遅れが目に付いた。これに対して、仙台市は、介護基盤整備政策の1つの方法として、営利企業参入の可能性を模索し、実際、市独自の事業として在宅介護施設整備のために営利企業に建設費補助を実施した。 しかし、福祉サービス分野における利用者の営利企業に対する不信感は根強く、また、実際、営利企業が提供する介護サービスの質的評価をどのように行うべきなのか技術的な問題が残っており、仙台市と同様の政策を他の政令指定都市が行うのは困難である。 そこで、我々は介護サービス市場に代表される固定価格市場で、1)NPOと営利企業が混在する産業のサービスの質がどの程度維持されるのか、併せて、2)そうした市場で営利企業の参入を促進させるためには政府がどのような政策をとる必要があるかを理論的に分析し、実験経済学的手法で検証した。 我々の分析では、まず、営利企業は高い質のサービスを維持しなければ生き残れず、むしろ問題はNPOを装う営利企業(擬似NPO)を如何に減らすかが焦点となることが分かった。そして、次に、このための政策、すなわち擬似NPOを減らし営利企業を増やすためには、(1)質の識別能力を持たない需要者の割合を減らす、(2)サービスの公定価格を引き上げる、(3)純粋NPOの数を増やす、そして(4)規制などを通じて低い質を提供するための単位生産費用を引き上げる、ことが有効であることが分かった。
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