研究課題/領域番号 |
11630065
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
浅田 和史 立命館大学, 経済学部, 教授 (40202585)
|
研究分担者 |
佐藤 卓利 立命館大学, 経済学部, 教授 (60178746)
土居 靖範 立命館大学, 経営学部, 教授 (10124083)
柳ヶ瀬 孝三 立命館大学, 経営学部, 教授 (40036398)
近藤 宏一 立命館大学, 経営学部, 専任講師 (50298717)
木下 明浩 立命館大学, 経営学部, 助教授 (60247806)
|
キーワード | インフラ・マネジメント / 黒壁 / 街づくり会社 / 商店街活性化 / PFI / 交通インフラ / 文化インフラ / 福祉インフラ |
研究概要 |
本年度は、インフラ・マネジメント・モデルとしての長浜「黒壁」について、過去の研究調査結果のまとめとして『長浜市「黒壁」会社の成功とそれを支えた条件』(立命館大学社会システム研究所、ディスカッション・ペーパー)を刊行した。そして、インフラ・マネジメント概念をさらに具体的に把握するために、(1)新たな問題領域への広がりとしての文化インフラ、具体的はオペラ演奏で名高いびわこホールの調査・ヒヤリングを基点に各種事例の調査吟味、(2)PFIの事例としてのトヨタ自動車(株)におけるITS(交通通信システム)の取り組み、中部空港をめぐる調査・ヒヤリング、(3)福祉インフラを支える産業的連関と地域企業の役割を視野に新産業として注目される福祉機器・装置産業の調査・ヒヤリング、を前半期において行った。また、商店街活性化の比較研究として後半期、本四架橋をはさむ岡山、高松の両県庁所在地における商店街を調査し、とりわけ交通インフラとの関連付け、従前のスプロール型公共投資への反省について興味深い論点をあきらかにした。講師招聘やメンバーによる研究会のなかでは、水族館マネジメント、労働市場インフラとエンプロイヤビリティ、商店街マネジメントなどについても検討した。 概括的にみれば、インフラがソフトな領域へと拡張しつつあるなかで、それが供給するシステムの特性を踏まえることが重視されていること、また、そうした領域に従前のハード型産業企業が参入したり、ソフトとハードとの相互作用のなかに新規地域産業の成長が期待されていること、日本型雇用秩序の再編が労働市場のインフラを地域のなかに求める傾向を強めていること、都市の行政区域の拡張が都心「空洞化」を危機感の弱める一方、商店街の合意形成のありかたにおいて機動的な街づくり会社への期待とその成果を土台に商店街としての集合的な合意や市域全体の公共的合意を形成していく戦略が認められること、などが明らかとなった。
|