経済改革の進展で北京、上海、広州など都市規模や地域によってタイプがやや異なるが、新しいモデルが生まれつつある。しかし小都市や町では旧モデルや改革初期のモデルをなお色濃く残している。行政的統一管理、思想統制、集権的性格は現状に合わなくなり、多元的機能を果たしてきた基層行政組織と党の集権的役割にも変化が引き起こされ、新たな社会システムの構築が始まっている。そのサービスモデルの変化は住民構成の変化と生活環境の変化を背景にして市場経済化の度合いに応じて、それぞれの地域のサービス構造を多様なものにしている。とりわけ注目されるのは非政府的・非市場経済的組織、非営利組織いわゆるNPOも発展を開始し始めたことである。「社区服務中心」もその一種と考えられ、無報酬の活動と、価格を低く設定する公的サービス、ボランティア活動など、社区サービスの活動は新たな所得と就業と新たな人間関係を発展させている。そして行政組織としての街道と居民委員会は権限と機能を強化され、行政範囲にあるものはすべて管轄できるという、いわゆる「属地化」が進行し、こうして営利経済活動は市場にまかせ、公的性格の強い経済活動は社区サービスセンターなど非営利組織として分離するという、社会的分業と市場経済志向のはっきりしたモデルが生まれてきている。
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