研究課題/領域番号 |
11630080
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
桑原 哲也 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (20103723)
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研究分担者 |
阿部 武司 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10151101)
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キーワード | 在華紡 / 内外綿 / 上海支店 / 日本人綿商社 / 中国人綿商社 / 新紡 / 内外綿(株)資料目録 / 前受金勘定元帳 |
研究概要 |
1、これまでの作業として、神戸大学経済研究経営研究所、リエゾンセンターが、所蔵する内外綿文書(約2000点に及ぶ資料群)の整理解読データーベース化を行ってきたが、今年度は、次の作業を行った。 2、上海支店の販売先。1939年〜41年の、内外綿の上海支店の製品別販売先を、エクセル入力し、データベース化した。当時上海支店は、内外綿の全事業所(日本国内工場、上海工場、青島工場、関東州の金州工場)の総売上げの70%を占めていた。上海支店はと約30社の商社と取り引きがあり、そうした商社から前受け金を取得した後に、製品を出荷していた。売り上げの60%は、大阪に本社を持つ日本人商社上海支店に40%は中国人商社に販売していた。加工綿布の最大販売先は阿部市へ、綿糸の最大販売先は伊藤忠へというように、製品によって主たる取引商社は異なっていた。 3、敗戦後の日本国内における再建過程。戦時中に、内外綿は国内事業基地を失い、中国でのみ事業を営む企業となっていた。しかし、敗戦により中国における事業基地を喪失し、国内に金融資産のみを持つ会社となっていた。上海から引き上げてきた経営陣は、大阪の本社に依拠して、国内での再建を計画し、1948年GHQにより認可された。1948年新内外綿を設立し、岐阜県の海津郡駒野工場で1万錘の規模で運転を始めた。新内外綿は、新紡の25社のうちの1社となった。こうした敗戦後の内外綿の行動を、内外綿文書を解読しつつ明らかにした。 4、全年までに相当な規模の資料を一点一点整理し、それらの資料の標題、所蔵場所をカードに記載してきた。それらを、コンピューターへ入力して、データ・ベース化した。こうして『内外綿(株)資料目録』として、公表するための作業を開始した。 5、本年度は4年間の調査の最終年度であるので、ファイルを整理し、取りまとめの文書を作成した.
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