1.解雇権乱用法理の形成過程を判例を用いた実証研究によって明らかにした。(大竹・藤川(2001)「日本の整理解雇」猪木・大竹編『雇用政策の経済分析』東京大学出版会。 2.日本の雇用対策について歴史的に概観した上で、雇用調整助成金の雇用創出効果が確認されないことを実証的に明らかにした。(大竹(2000)「転換期迎える雇用対策」『エコノミックス』第2号、Ohtake(2000)"Special Employment Measures in Japan"Japan Labor Bulletin) 3.定期借家権制度が2000年3月に導入されたが、それが借家市場にどのような影響を与えたかについて実証分析を行った。その結果、50平米以上の借家では定期借家の家賃が一般借家よりも低下しており、その程度は広い床面積の借家ほど大きいことを示した。(大竹・山鹿(2001)「定期借家権制度が家賃に与える影響」『日本経済研究』)。 4.日本において賃金格差や所得格差が高まっているのではないか、という指摘が近年なされてきた。所得格差や賃金格差の高まりを様々な観点から分析し、主な要因は人口高齢化と世帯構成の変化であることを明らかにした。一方で、パートタイム労働者と正社員の間の賃金格差は高まっていること、大卒男性の40歳以上層のグループ内賃金格差が高まっていることも示した。(大竹(2001)『雇用問題を考える』大阪大学出版会、大竹(2000)「90年代の所得格差」『日本労働研究雑誌』)。
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