研究課題/領域番号 |
11630097
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤田 誠一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40135778)
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研究分担者 |
高浜 光信 明治大学, 商学部, 助教授 (70287879)
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キーワード | ユーロ / 最適通過圏 / 国際通貨 / 域内貿易依存度 / 為替相場対策 / 為替市場介入 / ビナインネグレクト政策 / 欧州中央銀行 |
研究概要 |
藤田は、昨年度に引き続きユーロの国際通貨としての可能性を中心に研究した。マルクの国際通貨化のプロセスとドイツ・ブンデスバンクの政策、ユーロの国際通貨化のプロセスと欧州中央銀行の政策の間の共通点と相違点の検討、およびアメリカの通貨当局とユーロ地域の通貨当局の為替相場政策の比較検討など、主として通貨当局の金融政策・為替相場政策との関連を中心に研究した。 高浜は、最適通貨圏の諸条件(域内貿易依存度の高さ、経済構造の類似性、労働の移動性)の間の相互関係を整理し、欧州中央銀行がインフレ抑制的な金融政策を採るという前提の下で、共通通貨圏に参加することから生じるインフレ抑制効果を考慮した場合に、最適通貨圏の理論に新たな結論を追加できるかどうかを考察した。 これらの研究成果を基に、11月にはドイツに出張し、ドイツ・ブンデスバンク、欧州中央銀行、ドイツ東京三菱銀行、ドイツ興銀を訪問し、レビューを受けるとともに、意見交換を行った。これまでの研究では、マルクの国際通貨化に果たしたブンデスバンクの役割を強調してきたが、ブンデスバンクのは市場選択論的、ビナインネグレクト的な見解であった。この点については、次年度に再検討したい。 また、次年度は最終年度に当たるため、各人のテーマでの実証研究を行うとともに、相互の研究の統合、すなわちユーロ地域が最適通貨圏の条件を満たすことと、ユーロが域外で国際通貨として利用されることの関係についても検討する予定である。
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