研究概要 |
今年度は、わが国と韓国の税制の移転メカニズムについて、研究をすすめた。 わが国における税制の移転メカニズムの変遷について論述するならば、以下の三つの段階に分けられる。第一段階は、1949年から1950年であり、戦後の復興と自立を目指した時代であり、税務においては、アメリカの税務を模倣した。シャウプ勧告によりアメリカ税務の影響を基本的に受けながら、徐々にわが国の経済社会の実情に合うように変形されてきた。また規定によってはアメリカ以外の国の税務を参考にハイブリッド化^<2)n>させながら変貌を遂げてきたものもある。第二段階は1955年から1970年までの高度成長の期間であった。わが国の経済成長に合わせ、アメリカ税務に変形が加えられていった。第三段階は1971年から現在までで、また国内ではトライアングル体制といって、税務は会計や商法の影響を受けてきた。会計の国際化と同時に,税務もある面では,国際化の基準に適合させる必要が生じてきた時代といえる。 韓国における税制の移転メカニズムについては、戦後、1945年から1948年には、わが国の統治時代の税制を基本的に維持された。1949年から1953年の朝鮮動乱の終決日までの時代には、税制の根本的な改正が実施された。しかし、わが国の税制と似かよっている点が多くみられる。また1954年ごろから、経済復興を目的として、減免税措置を導入したが、これは、わが国の租税特別措置にあたるもので、わが国の税制を移転したものと思われる。昨今、韓国の税制も国際化の波にふれ、わが国同様、国際化に適合せざるを得ない状況に至っている。
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