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1999 年度 実績報告書

デリバリー・プロセスにかかわるスクリプトの学習と共有が顧客満足に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 11630110
研究機関香川大学

研究代表者

藤村 和宏  香川大学, 経済学部, 助教授 (60229036)

キーワードスクリプト / 顧客満足 / 職務満足
研究概要

サービス消費では、顧客もデリバリー・プロセスに参加し、他の参加者(従業員や他の顧客)と協働しなければならない。参加と協働における顧客の行動は彼がデリバリー・プロセスに関して保有するスクリプトに基づくことから、顧客が他の参加の保有するスクリプトと共通性の高いものを保有しているかどうかが、顧客満足だけでなく従業員の満足にも重大な影響を及ぼすと考えられる。すなわち、顧客が共通性の高いスクリプトを保有している場合には、デリバリーは効果的且つ効率的に展開されるために、顧客満足は高くなる。逆に、共通性が低い場合には、デリバリー・プロセスで中断やトラブルが発生するために、顧客満足は低くなる。そして、このことは従業員のデリバリー・プロセスに関する満足にも同様にあてはまると考えられる。
本年度は、このようなスクリプトの機能と重要性について考察するために、ホテル、レストラン、航空会社、病院の従業員に対してヒアリング調査を行なった。その結果、顧客と従業員の保有するスクリプトの共通性が低い場合には、顧客は従業員に不満を抱くだけでなく、従業員もその顧客を好ましく思わないことが明らかになった。さらに、顧客の保有するスクリプトは利用経験やサービスに対して求めるコア・ベネフィットによって変化することも明らかになった。たとえば欧米人と日本人ではレストランでの食事に対して求めるものが異なるために、どちらに対応するかで従業員がスクリプトを変えなければ、混乱や不満が発生するようである。このことから、顧客満足を低下させないためにはサービス組織が顧客と従業員の保有するスクリプトの共通性を高めるような情報提供を行なうか、あるいは従業員が各顧客が保有するスクリプトを推測しそれに適応するか、のどちらかが必要とされるが、現実の場面では、後者の方が多く採用されていることも明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 藤村 和宏: "日本人のサービス消費における満足形成の特質"香川大学経済論叢. 第72巻第1号. 215-240 (1999)

  • [文献書誌] 藤村 和宏: "適切な苦情処理がもたらす効用と抑制される苦情行動"香川大学経済論叢. 第72巻第2号. 325-366 (1999)

  • [文献書誌] 藤村 和宏: "顧客満足の構造とマーケティングの方向性"TRI-VIEW. Vol.13No.10. 10-16 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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