今年度の研究過程とその実績 問題の提起は「広告マネジメントにおけるグローバルスタンダードを求めて」である。 ○フランス、アメリカの広告取引の特徴は、 (1)広告主と広告会社との関係は契約を基としている。 (2)広告主と広告会社のそれぞれの役割が明確。どちらがどのプロセスについて責任を持つのかはっきり規定されている。 (3)広告主と広告会社との契約は商品・ブランド毎に行われる。 (4)広告会社の立場は媒体ではなく、広告主の代理である。 (5)製作企画書(クリエーティブブリーフ)や製作前の打ち合わせが重要な位置を占める。 ○日本広告業界の取引特殊性は、(1)「一商品一社制」(競合商品を同一の広告会社で取り扱わない)が日本では普及していない。(2)文書によらない口頭契約が多い。(3)金融機能が広告会社に求められる。(4)「買い切り枠」の存在。広告会社が媒体を事前購入して広告主に独占的に販売する。(5)「口座制」(媒体社の認可登録)の存在。新聞・雑誌に見られるように媒体社と取引できる広告会社が限られている。 以上のように欧米には共通した取引標準があるのに対して日本の取引習慣は大きく異なる。さらに2年目は企画の方法としてアカウントプランニング、取引料金の方法としてのコミッションとフイーの関係を研究する。
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