研究概要 |
今年度の研究経過とその実績 13年度(2001年)は広告主と広告会社間の新しい取引関係を作り、ブランド形成の方法として重要な位置を占める「アカウントプランニングとコンシュマインサイト」の関係機構の動向に注力した。 特に英国、米国のアカウントプランニングの現状研究のため米国ではアメリカ広告学会大会(Jacksonville, Florida, 2002年3月21-24日)に参加し、アカウントプランニングの学術研究の現状および実践研究として米国広告会社(Ogilvy & Mather)社のアカウントプランナ4名と大手企業(マクドナルド)の広告プランニング最高責任者(CCO)にコンシュマインサイト発見の実態活動を取材した。その際、日英米の広告会社におけるリサーチ部門とプランニングの発生において相違点があるか歴史的関係を追った。 さらに広告業界の取引を他業界と比較研究を行なった。 近年話題になっている建設業界の取引構造と広告業界の広告取引の類似点を検討した。 建設業界のゼネラルコントラクター(ゼネコン)と日本の大手広告会社の総括委託契約の現状との類似性がみられた。しかし、取引の公開性、透明性の観点から多くの疑問点があげられた。新しい建設業界の動きは外国建設企画会社の到来である。プランニング(建設企画)という新しい動きはこれまでのどんぶり勘定からの脱皮である。広告業界にも当てはまる動きである。 本研究者(小林)は2001年度日本広告学会全国大会(京都産業大学)の統一課題のための分科会座長として「アカウント・プランニング-コンシューマ・インサイト-」のテーマのもとに下記の研究発表を統括した。 「コンシューマ・インサイト、もうひとつの発見方法」(野口 嘉一) 「コンシューマ・インサイトのためのUSP理論の再検討(小泉 秀昭) 「インサイト発見の調査手法開発の課題」(山本 直人) 「アカウント・プランニング・システムの日本での効果的定着に向けて」(妹尾 俊之) 「ブランド・コミュニケーション・プランニングモデルを目指して」(棟方 信彦・若林 宏保)
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