本研究の目的は日本の大企業のキャリア・ディベロップメント・プログラム(CDP)の実践における最近の傾向を検討することである。日本の大企業の人事がどのように変化してきたか、そしてどのように変化して行くかを検討した。各産業の大企業が人事面においてどこまでキャリア・デベロップメントを実践しているかを検討した。検討の結果として、日本の企業においてはキャリア・ディベロップメントに関するパラダイム転換を解明した。インタビューから新しいキャリア・ディベロップメント・パラダイムを説明するための枠組みを作成した。新しいキャリア・ディベロップメント・パラダイムは四つの特徴をもっている。 現状の経済や国際的、また社会的な問題を考えると、これから先も、従来の日本の経営システムが存続するか否かは疑問でキャッチ・アップ型モデルで高度成長を遂げてきた日本の企業も大きな転換点にきて、組織と個人の関係をもう一度組み立て直さなければならない。実際、多くの企業がこのような経営環境の変化に適応するために、これまでの経営制度を変革に着手している。しかし、企業が形式的に新しい人事政策だけを導入しても、それを着実に機能させなければ経営革新を実現することはできない。もし企業が本当の経営革新を目指すならば、新しいキャリア・ディベロップメント・パラダイムを構築することが、現状を打破するための最善策の一つである。
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