研究課題/領域番号 |
11630117
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河野 昭三 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70111333)
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研究分担者 |
村山 貴俊 東北学院大学, 経済学部, 助教授 (20285654)
柴崎 暁 山形大学, 人文学部, 助教授 (50261673)
藤田 稔 山形大学, 人文学部, 教授 (30165394)
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キーワード | フランチャイズ・ビジネス / ペプシコーラ / 清涼飲料 / 輸入住宅 / 優越的地位の濫用 / 欺瞞的顧客誘引 / フランチャイズ規制 / 情報提供義務 |
研究概要 |
経営班は、前年度に引き続きフランチャイズ経営に関する文献の収集に努めると共に、特に清涼飲料事業および輸入住宅事業に関する調査研究を行った。清涼事業については、我が国における歴史的発展を幕末期から掘り起こし、特に第二次世界大戦後のペプシ・コーラの導入について調査した。ペプシがコカ・コーラとの競争で敗北した主な理由にはフランチャイザーによる指導的役割の不十分さが挙げられ、世界市場における日本市場の戦略的位置づけの強弱が勝敗の分かれ目をなしたことが判明した。また、我が国における輸入住宅事業については、既存の住宅事業会社によって販路拡大の一手段としてフランチャイズが利用され、フランチャイジーにとっては優れた製品、技術、ブランド、ノウハウ等を容易に入手できるというメリットのあることが確認されたが、フランチャイザーによるフランチャイジーの統制の在り方に問題が見られた。なお、フランチャイズ経営の意義を探求すべく、米国でのフランチャイズ発展史に関する書物の翻訳作業をあわせて進めた。 法律班は、フランチャイズをめぐる法的問題について、前年度に引き続き、文献調査、研究者との意見交換、判例・訴訟記録に関し調査研究を行った。その一環として、フランチャイジーの団体であるコンビニ・FC加盟店全国協議会とも接触し、資料や意見を入手した。コンビニ・フランチャイズ契約に関して、入手できた契約書を基に、独禁法に関する論点を中心にした分析を行った。また、米国ビジネスとして主に発展してきたフランチャイズ・ビジネスについて、大陸法ではどのように扱われてきたかについての研究をも行った。すなわち、欧州連合フランチャイズ規制、欧州フランチャイズガイドライン、フランス1989年ドーバン法などの諸規定を精査することによって、フランチャイズ契約締結前における情報提供義務について新たな知見を得た。
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