研究課題/領域番号 |
11630118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金崎 芳輔 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30204572)
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研究分担者 |
若林 直樹 京都大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80242155)
山本 昌弘 明治大学, 商学部, 教授 (10261489)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 資本市場 / MBO / 倒産確率 / M&A / EVA / タックス・プランニング / 合併後の組織統合 / ネットワーク分析 |
研究概要 |
1.MBOファンドへのインタビュー MBOファンドにインタビューを行い、得られた知見を整理。MBOとは、経営者が自社を買収することである。 (1)日本のMBOの特徴 (a)大企業の子会社を対象に友好的になされる。 (b)対象となる産業は、安定したキャッシュ・フローが得られる成熟産業である。 (2)日本のMBOが目的とする経済的利益 (a)親会社による官僚的管理による非効率の排除。 (b)経営者が株主となることによる強い経営改善へのインセンティブ。 2.倒産確率の研究 資本市場からの圧力が表れる倒産に関して、中小企業の倒産確率を財務データから簡単に推測できるモデルを開発。モデル構築後に発生した中小企業32社の倒産に適用した結果、倒産3年前に27社の倒産を予測、1年前に32社すべての倒産を予測する精度の高いものだった。 3.合併公表前後の株価の推移の研究 企業合併・買収(M&A)を取り上げ、資本市場からの評価に応える経営意思決定であったかを株価の推移から確認した。合併企業の株価は合併公表の前後に市場平均を13%上回る上昇をし、被合併企業では9%上回った。企業合併の意思決定が資本市場の評価と矛盾なくなされていることが確認できた。 4.タックス・プランニングの研究 企業が株主の利益を重視する価値創造経営を目指すときに、キャッシュ・フローをベースとするEVA、CFROI等の指標が参考にされる。これらは税引後の指標のため、国際課税の問題が重要であることと、国際税務の問題を経営管理の問題として捉えるタックス・プランニングが国際的経営環境では重要であることを指摘した。 5.合併後の組織統合の研究 合併後に資本市場の予測した成果(合併の成功)を上げる要因を研究した。シスコ・システムズとソレクトロン中新田の事例研究から従来の「組織文化の統合」という議論から「ネットワーク分析」を利用した分析への発展が必要であると指摘した。
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