研究課題
基盤研究(C)
現在の経営数学は、商業数学、オペレーションズ・リサーチないしマネジメント・サイエンス、及びその基礎となる応用数学という広い領域をカバーしており、その日本企業における利用は、経験や勘に頼りがちな日本的経営管理の科学化に大いに資すると期待されている。しかし、近年の大学の大衆化、経営学関係学部・学科の学生の「数学嫌い」などにより、どのような講義内容をどのような形で学生に教育すべきかについて、各大学の担当者は大きな悩みを持つようになってきた。経営数学に関係する研究者の集まりである日本経営数学会では、とくにこの問題に強い関心をもつ学会員で科研費を要求し、問題解決に向けた共同研究を行うことにした。科研費を受けたこの共同研究では、研究参加者を、(1)経営数学関連科目のカリキュラム、シラバスについて調査を行い、その実態を把握するシラバスチーム、(2)経営数学関連科目における効果的な教材の利用、その教材の流通・開発について調査研究する教材開発チーム、(3)上記調査結果を分析し、経営数学の体系化、とくに学部教育の体系化をはかる体系化チームの3チームに分けて、チーム毎に調査研究を行うとともに、3チーム合同のミーティングも3回行った。各チームの研究成果の概要を示すと次の通りである:(1)シラバスチームでは経営数学関連科目担当者を対象に行ったアンケート調査の結果の分析を行った。(2)教材チームではインターネット経由で閲覧可能な、Webと表計算ソフトを利用したシステムとテキストを作成した。(3)体系化チームでは経営数学体系化の試案を補完するために、マネジメント・コントロール論、組織論、マーケティングなどにおける数学利用の可能性を検討した。
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