本研究は、自治体と情報ネットワークとの関係性を精査し、電子自治体のモデルを構想するともに、それの実現のための過程や構築方法について研究することが目的である。 本研究では、次の各項目に示す調査研究を実施した。 1)行政の電子化に関する海外・国内の文献・資料をレビューした。 2)岐阜県、三重県、および静岡県の先進自治体(複数)の聞き取りと観察による電子化実態について調査した。 3)東京都をはじめ全国203の都市を対象に電子自治体アンケート調査を実施した(回答数140団体)。 4)デンケートの回答をもとに多基準評価手法などを用い、自治体の分析・評価を行った。 5)海外の電子政府の実態を把握するために、北欧のスウェーデン(7ヶ所)とフィンランド(6ヶ所)の政府機関、大学、サイエンスパークなどを訪問調査し、日本の自治体への多大の示唆を得た。 6)上記の調査分析をもとにした学会発表・雑誌掲載および単行本出版計画:電子自治体における電子申告・電子取引・電子保存・および電子公開モデルの構想と実現に際しての障壁克服のあり方、推進組織について、関連学会で論文として発表するほか、最終的には単行本として刊行する(単行本は、一部出版済みのものもあるが、中核的なものは5月に出版杜「ぎょうせい」から「電子自治体の構築と展開(仮題)で刊行予定)。
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