研究概要 |
1、日本企業の人的資源管理システムに関するモデルの設定と調査 日本企業の人的資源管理システムがハイ・インボルブメント(Lawler,1992)な特徴を持ち、それが「組織の公正」 (Greenberg,1990)を高め、さらに組織有効性を高める、というモデルを設定した。そして、モデルを検討するため、まず一次調査として東北地方の従業員100人以上の企業210社に対して郵送による質問紙調査を実施した。その結果、伝統的な人的資源管理ポリシー(長期的雇用と内部化された技能の形成および技能形成に基づく評価)を持つ企業が必ずしもハイ・インボルブメントな施策をとっていないこと、伝統的な人的資源管理ポリシーを持つ企業は他のポリシーを持つ企業より業績が高いこと、ハイ・インボルブメントな施策をとっている企業は他の施策をとっている企業よりも業績が高いこと、等が明らかになった。日本企業の伝統的な人的資源管理ポリシーとハイ・インボルブメントな施策はそれぞれ独自のメカニズムを通じて業績に影響をもたらすことが示唆された。 2、従業員の調査 日本企業の伝統的な人的資源管理ポリシーとハイ・インボルブメントな施策が従業員の公正知覚や組織コミットメントなどにどのような影響を与えているかを検討するため、一次調査の回答企業のうち43社において、二次調査として従業員への質問紙調査を実施した。現在データの分析中である。
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