本年度の主要研究目的は、連鎖反応を起こすトリガーをどのように設計していくべきか、その手順を明らかにすることである。そしてそのために、できるだけ種々の例をトリガーの観点からシステム設計してみることである。 はじめに、つきのような例についてシステム設計してみた。それは、「火事を消すシステム」、「自動車工場の組立システム」、「バネ秤のシステム」、「自動ドアシステム」、「ゴイ鷺防御システム」、「製造発注システム」、「下校時間お知らせシステム」である。これらのシステムは多彩である。たとえば、情報システムがあり、防御システムもある。 以上の多彩なシステム設計を通じて、次の結果が得られた。 (1)インプットが投入されたら速やかにアウトプットを産出したいシステムでは、インプットを察知する作業をトリガーとしてシステム設計していくとよい。 (2)トリガーには、人間の意思が込められたものと、込められていないものがある。 (3)人間の意思が込められていないものでは、インプットを察知できるものをトリガーにするとよい。 (4)情報システムでいわれる「イベント」は、本研究でいうトリガーと同じである。 (5)トリガーは、すでに存在しているトリガーと、これから設計しなければならないトリガーの2種がある。 そして最後に、トリガーを考慮に入れたシステム設計の手順を明らかにした。
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