本研究では、バランスト・スコアカード(BSC)における顧客の視点と内部プロセスの視点に着目し、産業分類毎の顧客特性およびプロセスの技術特性の違いを検出し、その差異を説明変数としてBSCのカスタマイズを考えることを目的とした。 その第1段階として、銀行・保険・証券の3つの産業に属する日本企業と外資系企業370社に対して質問紙調査を実施した。この調査からは、日本の金融業では顧客とプロセスに対する戦略的な差異が認められないこと、外資系企業と日本企業の間には顧客に対するアプローチに差が認められ、採用されている管理指標への重点の置き方とも相関関係が存在することが確認できた。この研究成果は論文として発表した。 また、研究の第2段階として、製造業930社に対する広範な質問紙調査を行った。この調査には、内部プロセスを比較可能にするためにサプライチェーン・マネジメントの考え方を導入するとともに、金融業に対する調査への反省から計画プロセスに関する質問を柔術させた。この調査から得られたデータについては、計画プロセスの影響についての分析を終わり、論文の準備中である。サプライチェーンの視点および市場の視点についての分析は現在も継続中である。
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