研究課題/領域番号 |
11640016
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
横川 光司 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (40240189)
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研究分担者 |
武田 好史 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50227039)
大場 清 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (80242337)
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キーワード | ベクトル束 / 非可換ホッジ理論 / 非可換コホモロジ- / モジュライ / 正標数の代数幾何 |
研究概要 |
今年度は、シンプソンのn-スタック係数の非可換コホモロジ-とそれを用いた非可換ホッジ構造、非可換ガウス-マーニン接続、混合ホッジ構造の非可換版となる混合ツイスター構造などについてセミナーを開き、また高知大学の土基氏と非可換スキームの変形理論と非可換ホッジ理論の関係について、ローゼンベルグによるアーベル圏=非可換スキームという図式のもとにどう表現できるかについて議論を重ねた。その成果をふまえて、非可換スキームの変形をシンプソンのn-カテゴリーを用いた非可換コモホロジーを用いて表現する方法についての研究が重要であるとの認識を得た。また、研究分担者の武田氏と、正標数の代数曲線上の前丹後構造の一般的な性質と、その具体的な構成について研究し、標数正の代数多様体に持ち上げることが出来ない代数多様体(主として代数曲面)を代数曲線のモジュライの中で正の次元を持つぐらい多く構成した。また、これらの代数曲面の族のモジュライの中でのサイクルとしての様子について研究分担者の大場氏と研究をした。これらの例において非可換ホッジ構造を調べていくうちに正標数の代数多様体に対する非可換ホッジ分解に障害となる量をシンプソンの非可換コホモロジ-を用いて表すことができる可能性が見えてきた。このことが可能になれば、これまで正標数の代数多様体において未解決であったベクトル束の族の有界性の問題などで、大きさを計る量が得られる可能性があり、問題解決のための重要な道具が得られるのではないかと期待される。
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