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2001 年度 実績報告書

正標数の特異点に付随する環論的不変量について

研究課題

研究課題/領域番号 11640021
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉田 健一  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (80240802)

研究分担者 向井 茂  京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
橋本 光靖  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10208465)
岡田 聡一  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
キーワードHilbert-Kunz multiplicity / regular / Cohen-Macaulay / F-rational / rational singularity / multiplicity / tight closure / integral closure
研究概要

昨年度の研究に引き続いて、正標数の特異点の不変量の一つとしてのHilbert-Kunz重複度の研究を行った.その成果の一つとしては、minimal Hilbert-Kunz重複度の概念をあらたに導入して、その計算方法を提供したことがあげられる。この不変量はGorenstein環の場合には、そのパラメータ系で生成されたイデアルとそれを含むsocleに対するHilbert-Kunz重複度の差として表現される。この不変量は、アメリカの研究者らが極大Cohen-Macaulay加群の構造という立場から、別に導入した不変量と一致することも判明し、今後の研究における可能性を示唆されている。また、この不変量を用いて、F正則性の特徴付けが行うことができる可能性もいくつか証明することができた。以上の成果は今年度の可換環論シンポジウムを通じて報告した。
さらに、日本大学の渡辺敬一氏、及び、東北大学の原伸生氏らと協力して、正標数の場合のブローアップ代数の構造についての研究も開始した。その成果としては、ブローアップ代数のF有理性の判定法を与えることができた。応用としては、ブローアップ代数がCohen-Macaulay正規整域ならばつねにF有理的である、という予想は一般には正しくないことを豊富な反例を持って示すことができた。これらの成果は今年度の横浜で行われた国際シンポジウムを通じて成果発表した。
正標数の特異点に付随するHibert-Kunz重複度の環論的不変量としての意味付けについては、正則局所環の特徴付けを始めとする多くの成果を得た。この研究の総合的な成果は、今年度夏に大阪で開催された代数学シンポジウムにおいて発表した。一方で、この研究を通じて、ベースとなる正標数の環構造の研究が充分でないという事実も明確になってきた。そのような構造に関する研究の1つとして、次年度以降は正標数の特異点上のブローアップ代数の研究を推進する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kei-ichi. Watanabe, Ken-ichi Yoshida: "Hilbert-Kunz multiplicity of two-dimensional local rings"Nagoya Math.J.. 162. 87-110 (2001)

  • [文献書誌] Kei-ichi Watanabe, Ken-ichi Yoshida: "Hilbert-Kunz multiplicity, McKay correspondence and Good ideals in two-dimensional Rational Singularities"manus.math.. 104. 275-294 (2001)

  • [文献書誌] Nobuo Hara, Kei-ichi Watanabe, Ken-ichi Yoshida: "F-rationality of Rees algebras"J.Algebra. (in press).

  • [文献書誌] Nobuo Hara, Kei-ichi Watanabe, Ken-ichi Yoshida: "Rees algebras of F-regular type"J.Algebra. (in press).

  • [文献書誌] Mitsuyasu Hashimoto: "Good filtrations of symmetric algebras and strong F-regularity of invariant subrings"Math.Z.. 236. 605-623 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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