研究概要 |
1.研究代表者はGalois群が4次対称群及び交代群であるGalois被覆の構成に関し,前年度迄に得られていたものをより使い易い形に再構築した.この結果については都立大学における複素幾何セミナー及び数理研における研究集会「基本群と代数関数」において報告した.さらに,これらの成果を論文Galois covers for 〓_4 and 〓_4 and their applicationにまとめた.これは現在,Osaka J.Math.に投稿中である. 2.研究代表者は有限線型群の不変式と関連したversal Galois被覆なるものの研究を開始した.これは不変式を構成する操作を幾何学観点から洗い直すものである.今迄の結果をこの観点から見直すことにほぼ成功した.また,これにより,5次交代群をGalois群とするGalois被覆の研究が大きく進むものと考えられる.論文は現在準備中である. 3.岡はある種の平面6次曲線及びその双対曲線を徹底的に調べ,新しいZariski pairや,大きな捻れ群を持つ楕円曲線の族を構成した.これらの結果は印刷中及び投稿中である. 4.蔵野はSerreの交点数の予想に関して研究成果をあげ,国内外の研究集会で講演を行った. 5.島田はFermat多様体の代数サイクルに関する格子の研究を行う一方,非可換無限群を基本群とするZariski pairの研究に関する新しいアイデアを提出した.前者について,論文は下記の通り出版され,また,格子はhttp://www.research.att.com/njas/lattices/index.htmlで島田の格子として紹介されている.後者については,高知大学の研究集会で報告した. 6.土基は非可換幾何学の基本的枠組みを研究した.論文は現在準備中である.
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