研究概要 |
平成12年度科研費による研究は極大巡回部分群をもつ非可換p-群の半正則相対差集合の存在問題を中心に行った.これは前年度の科研費による結果を基礎に発展させたもので研究成果は次の通りである. 上記の条件をみたす非可換p-群は次の4つのタイプだけが存在することが分かっている: (i)位数p^nのモデュラーp-群M_n(p)(ii)位数2^nの一般四元数群Q_<2^n> (iii)位数2^nの2面体群D_<2^n>(iv)位数2^nの半2面体群SD_<2^n> モデュラーp-群M_n(p)については次を示した. 定理1:M_n(p)が禁止群Uに関して半正則相対差集合をもてば次が成り立つ. (i)p=2ならn=4のときに(4,4,4,1)が例外的に存在して位数4の射影平面の自己同型群に対応する. (ii)p>2ならU【similar or equal】Z_pの時だけ存在可能である.また,n=3のときは実際に無限系列が存在する.□ 一般四元数群Q_<2^n>は自明でない半正則相対差集合をもつことがJ.A.Davisによって示されていたがその一般化であるdicyclic群については次を示した. 定理2:dicyclic群Q_<4m>が偶数位の正規部分群Uに関して自明でない半正則相対差集合をもてばU【similar or equal】Z_2である.□ 一方,2面体群や半2面体群については次を示した. 定理3:2面体群および半2面体群の半正則相対差集合は自明なものに限る.□ 定理1,2,3の結果をもとに巡回群を極大部分群として含むp-群の場合についてまとめて次を得る. 定理:極大巡回部分群をもつp-群Gにおいてで正規部分群Uに関して自明でない半正則相対差集合をもてば次のいずれかだけが起こる. (i)G【similar or equal】Q_<2^n>,U【similar or equal】Z_2.(ii)G【similar or equal】M_n(p),U【similar or equal】Z_p(Pは奇素数).(iii)G【similar or equal】M_4(2),U【similar or equal】Z_2×Z_2.□
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