研究概要 |
射影多様体の定義イデアルの自由分解について研究を、平成11年度、平成12年度に引き続き進めました。特に、射影代数曲線の超平面切断としてできるO次元スキームのCastelnuovo-Mumford regularityの上限を次数、余次元で表す問題を研究しました。基礎体の標数が正の場合、そのO次元スキームが、ある種のモノドロミー群との関係により、「奇妙な」点の配置になります。その場合にregularityが通常の場合より、小さい上限を持つという結果を得ました。その結果をを可換環論シンポジウムで研究発表し、論文をまとめています。この問題については、研究打ち合わせのため、Uwe Nagel氏(パーダーボーン大、ドイツ)を琉球大学理学部に招聘し、議論しました。さらに、Nagel氏の招聘に合わせて、尼崎睦実氏(広島大)、寺井直樹氏(佐賀大)らと共に、ワークショップを琉球大学で開催し、代数曲線の自由分解の問題、Stanley-Reisner環のregularityの問題についても討論しました。このときも話題になったregularityについてのHoa予想については、現在、研究を続行中です。また、Gruson, Lazarsfeld, Pinkham, Peskineの行った代数曲線、非特異代数曲面での方法、および、Kwakの高次元での方法を、野間淳氏(横浜国大)、Kwak氏(KAIST、韓国)とセミナーなどを行い、お互いの研究を発表し、連絡を取り合っています。Multiplier ideal、組合せ論との関係について今後の研究課題として取り組んでいきたいと思っています。
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