研究課題/領域番号 |
11640054
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河澄 響矢 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (30214646)
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研究分担者 |
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科・理学部, 講師 (20271182)
大場 清 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (80242337)
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (70011674)
笠原 泰 高知工科大学, 工学部, 講師 (80299370)
澁川 陽一 北海道大学, 大学院・理学研究科・理学部, 助手 (90241299)
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キーワード | リーマン面 / モジュライ空間 / 森田・マンフォード類 / 曲面の対称性 / ブルスキ・カロジェロ方程式 / 楕円函数 / 写像類群 |
研究概要 |
モジュライ空間の標準的微分幾何学(代表者):普遍リーマン面の相対接束の接続と二次微分の関係を細部にいたるまで明らかにすることができた。普遍リーマン面の曲率およびジョンソン準同型を表わす微分形式についての以前の計算を整理した。これらは来年度早々に論文にまとめたい。具体的なリーマン面の上でこの微分形式の値を計算することが、来年度の最初の課題である。モジュライ空間のさまざまなポテンシャルについては、残念ながら結果を得ることは出来なかった。 写像群類のtorsionコホモロジー(植村毅氏、分担者秋田利之および代表者の共同研究):以前得られた結果を論文にまとめた。これはJ.Pure Appl.Alg.誌に掲載予定(印刷中)である。また、秋田による森田・マンフォード類とチャーン類についての予想を準自由作用の場合に肯定的に証明した。代表者は超楕円的写像類群の上での森田・マンフォード類の振る舞いをほぼ完全に計算した。 Bruschi-Calogero方程式(分担者澁川と代表者の共同研究):複数直線の原点近傍で定義された有理型函数解を完全に求めることが出来た。これは京都大学数理解析研究所紀要に掲載予定(印刷中)である。澁川はこの結果を元にして楕円的R行列の完全な分類を目指している。代表者はこの方程式の(安直な)高次元化の解はすべて1次元の解に帰着することを証明した。 他の分担者も、各々の役割に応じて研究を進めている。たとえば、分担者の橋本と大場は井桁構造の研究を進歩させて稲妻多角形の概念を発見し、これによってdipoleつきリーマン面のモジュライ空間を記述した。各分担者の業績については、最終年度の実績報告書において詳細に報告したい。
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