研究概要 |
OPTiにおいてフォード領域を表示するために用いているアルゴリズムを応用すれば,与えられた表現に対応する群が離散的かどうかをかなり実用的なレベルで判定できる.これを応用して山下靖氏,須川敏幸氏,小森洋平氏と共同研究を行いBers埋め込みの画像を得ることに成功した.いわゆるExceptional Componentの画像も得られており非常に興味深く,理論的な解析が待たれる.なお,そこで用いたアルゴリズム等については8月に岩手県一関市で開催された函数論シンポジウムにおいて「Drawing Bers embeddings of Teichmuller space of once punctured tori」として発表した. 一方,クリフォード代数を用いてメビウス変換群を高次元化することに関して研究を開始した高次元のSchwarz微分に関しては,小林治氏と共同でさらに研究を進め,一般的なリーマン多様体の間の埋め込みといった非常に一般的な対象に対してまでSchwarz微分を拡張できることがわかった.またその応用として種々の単射性定理を得ることができた.これらの結果については論文「Circular Geometry and the Schwarzian」として発表した.
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