研究分担者 |
伊藤 宏 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90243005)
天野 要 愛媛大学, 工学部, 教授 (80113512)
定松 隆 愛媛大学, 工学部, 教授 (10025439)
川村 一宏 筑波大学, 数学系, 講師 (40204771)
井上 友喜 愛媛大学, 工学部, 講師 (60253316)
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研究概要 |
本研究では,新しいフラクタル不変量を考え出す必要があることに鑑み,本年度は実験的な研究を主に行った.Silicon Graphic社製の高性能なワークステーションSGI740を備品費で購入し,,大型行列計算の処理能力においてすぐれた数式処理ソフトのMatLabを購入し「フラクタル波形」(ここでは、例えば音声データや、音楽データ、及びそれらのデータにノイズが混入したような波形を想定しており、その連続データおよびその離散化データの総称をこう呼ぶことにする)についてWavelet係数を計算させた. Waveletを利用することによって今までより簡単に,与えられたフラクタル波形が音声データの場合,それが一人で発音されたデータであるか複数で発音されたものであるかをWavelet係数の時間周波数密度分布での波形の2次元的な広がりで定質的にある程度検出することが可能であった.但し,これを定量化する方法はまだ判然としておらず、及び「例外的に」密度分布でのパターン認識からは複数での発音を予想されるフラクタル波形が実は単数の話者によるものであるケースが検出された. JPG圧縮による画像に混入するノイズに対してWaveletを利用したフラクタル波形の基礎的なDe-Noisingを,1次元波形で成果を上げているTranslation Invariant法を適用して種々のデータ解析した所,SN比の改善が得られたが,期待していた程の顕著な改善ではなかった. Waveletを利用した基礎的なデータ圧縮法を直交基底に応じて計算される係数の累積エネルギーと,係数そのものの減衰曲線を求めて比較検討したが,1次元フラクタル波形についてはWavelet Packet変換が良好な特性を示したのに対して,2次元画像についてはDaubechies系変換の特性が一番良好な特性を示しており,有効なWaveletを絞り込むことができなかった.
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