研究分担者 |
大本 亨 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (20264400)
與倉 昭治 鹿児島大学, 理学部, 教授 (60182680)
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 理学部, 教授 (40107850)
中島 正治 鹿児島大学, 理学部, 教授 (40041230)
愛甲 正 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (00192831)
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研究概要 |
(1)本年度の主たる研究成果は、次のことを証明したことである。S:通常特異点を持つコンパクト複素曲面、f:X→S:Sの正規化写像、D_S:Sの2重曲線(特異点集合)、Σt_S:Sの3重点の集合、D_X:=f^<-1>(D_S),Σt_X:=f^<-1>(Σt_S)、n_X:D_X^*→D_X:D_Xの正規化写像、Σt_X^*:=n_X^<-1>(Σt_X)としたとき、H^0(D_X^*,Θ_<DX>^*(-Σt_X^*))=0ならば、自然な写像h:H^1(S,Θ_S)→H^1(X,Θ_X(-logD_X))は単射である。ここで、Θ_<DX>^*(-Σt_X^*)、Θ_X(-logD_X)はそれぞれ、D_X^*、X上の、Σt_X^*、D_Xに沿った対数的ベクトル場の層を表す。このことより、Sの局所自明な変形の倉西族のパラメーター空間は、(X,D_X)の組の局所自明な変形の倉西族のパラメーター空間の閉複素解析的部分空間として実現できることがわかる。この事実は、Sが代数的である場合の、無限小混合トレリを証明する際に本質的に用いられる。 (2)他に、エンリケスによる曲面の場合の古典的公式にならって、通常特異点を持つ3次元複素射影超曲面Tの非特異正規化Yのオイラー数を、Tおよび、Tの特異点集合に関する数値データを用いて表す公式を導いた。 (3)現在、通常特異点を持つ複素射影超曲面の半安定還元として現れる正規交叉多様体を、トーラス埋め込みの理論を用いて特徴づけること、そのような正規交叉多様体の対数的変形族のKodaira-Spencer写像をコホモロジカルに表現すること、および、(2)における3次元複素射影超曲面Tの非特異正規化YのK_Y^3を与える公式を、Tの1次極曲面および、2次極曲面を用いて導くことを継続して研究中である。
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