研究課題
基盤研究(C)
この研究においては、単連結な有限複体Xのk重ループ空間Ω^kXからでる幽霊写像の特徴付けを行うことを研究の中心に据えて問題に取り組んできた。まず、ターゲット空間を任意に取るとき、この問題はΩ^kXからでる普遍幽霊写像がいつ自明になるかという問題と等しくなる。k=1の場合は、空間がリー群の場合に完全な解決を得たが、一般の空間については問題は未解決のままであり今後の課題として残された。k【greater than or equal】2の場合は、Ω^kXからでる普遍幽霊写像が自明となるための必要十分条件はXが可縮である事が示された。さらに、k【greater than or equal】3の場合には有限複体とは限らないXに関して、完全な問題の解決を見た。次に、ターゲット空間を有限型の空間に限定するとき、問題は写像 Ω^kX→ΠS^<2n_i+1>×ΩS^<2n_j+1> で有理ホモトピー同値を導くものが存在するための必要十分条件を与えることと等しくなる。この場合も、k【greater than or equal】2のとき問題が解決されたが、k=1の場合については完全な結果は得られなかった。しかしながら、Xが有理的に楕円型の時や空間を各素数で局所化した場合には完全な結果が得られ、多くの未解決問題を解決した。また、以上の研究を行っている課程において、有限生成巾零群の作る逆極限の第1次導来函手と局所化の関係についての未解決問題を解決することができた。
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