研究課題
昨年に引き続き、局所的な基本群が非自明の場合の制御手術群の安定性について研究を続けた。今年度の関連する動きとしては、Pedersen-Quinn-Ranickiによる局所的な基本群が自明な場合の手術理論に関しての論文の発表があげられる。我々がより一般的な場合の証明に用いようとしている道具は、彼らの用いている幾何学ポアンカレ2次複体の分割である。分割は一般的には不可能である。我々は彼らの方法を拡張して、分割が可能であるためのひとつの十分条件をみいだした(残念ながら必要条件ではない)。考えているポアンカレ2次複体が、分割しようとしている一方の領域上で単純ポアンカレであるという概念を導入して、この条件が満たされているならば分割が可能であることが証明できた。局所基本群が自明ならば、ポアンカレであれば自動的に単純ポアンカレであることがわかる。この結果を用いて制御手術群の安定性に関して次のことを証明することができた:1次元の単位球面上の制御手術群は局所基本群が非自明であっても安定性を持つ。証明はFerry-PedersenのK版の安定性の証明と同様である。彼らは一般の次元の球面上の制御ホワイトヘッド群に対する安定性を証明しているが、手術理論におけるその類似はまだできていない。安定性に関するはりあわせの議論を作り、この方面で突破口を開こうとしている。
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