研究概要 |
4次元多様体MからR^3への定値折り目写像を許容するMの特徴付け,特にMの微分同相類の決定をMの基本群が自由群及び曲面群の場合に完成させた。特にこのことの重要な応用として,Mがコンパクトな複素解析的曲面に微分同相な場合の分類を完成させることができた。この際,最も難しいのが一般型曲面と呼ばれる小平次元2の曲面の族の扱いであったがサイバーグ・ウィッテン理論の一結果を援用することにより,一般型曲面の場合の考察を行うことができた。さらに,大域的特異点理論における固有の問題としてトム多項式が特異点を消去するための唯一の障害であるかどうかについて,4次元多様体間の安定写像に対してはトム多項式が唯一の障害類であることを完全に証明した。また,その応用として1960年代後半のMatherにより提出されたホモトピー群の元を代表する祈り目写像の問題(存在について)を拡張したものに対する完全解が得られた。
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