研究課題/領域番号 |
11640101
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
種村 秀紀 千葉大学, 理学部, 助教授 (40217162)
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研究分担者 |
金川 秀也 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (50185899)
田栗 正章 千葉大学, 理学部, 教授 (10009607)
中神 潤一 千葉大学, 理学部, 教授 (30092076)
今野 紀雄 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80205575)
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キーワード | vicious walkers / friendly walkers / Dyson model / random matrix / phase transition / Brownian meander |
研究概要 |
非交叉条件のもとでのN本の単純ランダムウォークは、vicious walkersとよばれる確率過程である。香取氏との共同研究によりvicious walkersに対する中心極限定理を証明した。非交叉条件を与える時間をスケーリングに対してどの様に与えるかにより、得られる拡散過程は時間的に斉次的である場合と非斉次的である場合にわかれる。斉次的拡散過程は、Wyle chamber内の吸収壁ブラウン運動のH変換でDyson modelとよばれているものであり、非斉次拡散過程は、Brownian meanderとよばれる一次元拡散過程の多次元への拡張になっている。この非斉次拡散過程における時刻tでの分布は時間に依存しているが、時刻0に近いところではGUEの固有値分布に近く、非交叉条件の終点時刻TではGOEの固有値分布になり、random matrix modelと密接な関係があることがわかった。纏められた結果は、Physical Review Eに掲載された。 非交叉条件にくわえて衝突した回数に応じて相互作用を入れたモデルをFriendly walkersという。相互作用の大きさを制御するパラメータをβと、閾値βcが存在してβがβcより大(supercritical)のときは、対応する自由エネルギーが正になり、βがβcに等しい(critical)とき及びβcより小(subcritical)のときは0になる。2本のfriendly walkersに対しては閾値が厳密に計算されているが、3本以上の場合についての研究はされていなかった。吉田伸生氏との共同研究によりFriendly walkersの本数と自由エネルギーとの関係から閾値に関する評価を導いた。得られた結果は、Probab. Th. Relat. Fieldsに掲載予定である。
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