研究課題/領域番号 |
11640106
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
磯貝 英一 新潟大学, 理学部, 教授 (40108014)
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研究分担者 |
寺澤 達雄 新潟大学, 理学部, 教授 (00197790)
泉池 敬司 新潟大学, 理学部, 教授 (80120963)
赤平 昌文 筑波大学, 数学系, 教授 (70017424)
明石 重男 新潟大学, 理学部, 助教授 (30202518)
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キーワード | 逐次推定 / 停止規則 / 有界危険 / リグレット / 偏り修正 / 2次漸近展開 / 点推定 / 指数分布 |
研究概要 |
この研究課題において、フィリピンのミンダナオ州立イリガン工科校での研究打ち合わせなどを通じて、研究代表者は以下の2つの研究成果を得ることができた。 1.平均二乗誤差の下で、指数分布における未知の位置母数と尺度母数の1次結合の点推定問題を考えた。推定量を与えて、そのリスクがある与えられた誤差以下になるような最小の標本数で推定するとき、漸近的に最適な標本数には未知母数が含まれる。そこで、この問題を逐次手法を用いて解決した。逐次推定量の族を提案し、与えられた誤差が十分小さいとき、これらの逐次推定量に対するリスクの漸近展開を求め、制約条件が満たされることを示した。また、最適な逐次推定量を求めた。この結果はSequential Analysis vol.18,no.3&4(1999)に掲載された。 2.平均二乗誤差に標本抽出の費用を加えた関数を損失関数として、k個の母集団の母平均の1次結合を推定する点推定問題を考えた。推定量を与え、そのリスクを最小にする最小の標本の大きさを具体的に求めると、未知母数が含まれてしまう。そこで、標本抽出を停止する停止規則を定義し、逐次推定量を提案した。1標本抽出当りの費用が十分小さいとき、この推定量に対するリグレットの2次の漸近展開を与えた。また、偏りを修正した逐次推定量を提案し、それに対するリグレットの2次の漸近展開を求めた。さらに、偏り修正した逐次推定量が修正しないものに比べて、漸近的にリスクを小さくすることができる分布の例を与えた。特に、ガンマ分布に対しては、母集団の個数が奇数の場合、従来の逐次推定量に比べて、我々の提案した偏り修正逐次推定量が漸近的にリスクを小さくすることがわかった。この結果を1999年8月ヘルシンキで開催された第52回国際統計学会て発表した。また、Statistics and Probabilty Letters vol.47(2000)に掲載される予定である。
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