研究概要 |
確率変数列やランダムな有向グラフなどの上に現れる連や離散パターンの待ち時間の確率分布を研究し,次のような結果を得た. 1.Directed treeの各頂点に対応する{0,1}-値確率変数の集合上に有向マルコフ分布を仮定し,Directed treeの向きに沿った一定の長さの1の連の数の厳密分布を導出した.この分布からdirected tree上のconsecutive systemsの信頼度が容易に計算できる.また,このconsecutive systemsの各部品の寿命が独立に同一の分布に従うとき,システム全体の寿命の分布を理論的に導いた. 2.2変量の{0,1}-値マルコフ依存系列上において,第1成分と第2成分上で,それぞれ決まった長さの1の連を観測し,どちらか早いほうが起こるまでの待ち時間の分布および両方の連が観測されるまでの待ち時間の分布を導いた.その結果,たとえば,線形のconnected-(r,s)-out-of(r+1,n):F lattice systemという名前のconsecutive systemの信頼度を容易に求めることができる.現在,当科学研究費によって購入した計算機とソフトウェアを利用して,3変量の場合の,対応する計算を行っており,良好な結果を得ている. 3.[0,1]区間に値を取るような独立な確率変数列を,区間[0,t]についての定義関数を通して見るとき,ある与えられた{0,1}-パターンに反応するような経験分布関数を考察し,それを規格化した確率過程の弱収束を証明した.収束先はガウス過程であるが,その複雑な共分散関数の計算にも計算機が有効に利用された.
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