研究分担者 |
内山 聡生 広島大学, 工学部, 助手 (20304404)
太田 泰広 広島大学, 工学部, 助手 (10213745)
柴 雅和 広島大学, 工学部, 教授 (70025469)
渡邊 芳英 同志社大学, 工学部, 教授 (50127742)
佐藤 学 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90178773)
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研究概要 |
昨年度に開発した差分方程式の保存密度を求める数式処理プログラムを連立の完全差分方程式系まで扱えるように拡張し、それを用いて非可積分系のモデル方程式として取り上げた変形ベッセル関数型ポテンシャルをもつ格子モデルの差分スキーム(完全差分方程式)の安定性を吟味した.解の振舞いを数値的に調べた結果、ほぼ安定に伝播する解の存在が確かめられたので、その解の双1次形式による解析的表現を現在調べているところである.太田は離散Painleve方程式系に対する幾何学的構成を行い、可積分性が双1次形式の最も一般的な非自律化を定め、その双1次形式からすべてのBacklund変換が導出されることを示した.渡邊は半離散の発展方程式に対するハミルトン構造の概念をSchouten括弧式を用いて定式化し,連続の場合の類似から半離散発展方程式の双ハミルトン構造の概念を導入し,この概念と可積分性との関連を示唆するいくつかの例を与えた.またこのような双ハミルトン構造について連続の場合との違い,またその問題点についても言及した.また,各共同研究者は以下のような独自の専門における成果を上げ,本研究への示唆を与えた.まず,柴はトーラスの上での一様流れと湧きだし・吸い込み対との重ね合わせによって得られる流れ現象の物理的・関数論的性質を調べた.また,リーマン面論の立場から,解析接続に関する新しい光を当てた.内山はLyapunov関数をもたない振動子ニューラルネットワークについて,その想起-非想起転移の問題を動的な統計理論により解析した.これにより,平衡統計力学による従来予想が破綻するパラメータ領域においては,相転移現象に非定常状態が介在していることが明らかになった.また,佐藤は主成分分析を用いて因子数を決定する方法の妥当性をデータが完全な単純構造に近い場合において検討した.
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