研究概要 |
本研究の目的のひとつである非可逆写像が非双曲型周期軌道を有している時、時間相関関数の漸近的挙動の解析に有効な道具と考えられている、"力学的ゼータ関数"のmeromorphic domainを明らかにする問題については、平成12年11/15〜11/25英国出張しManchester大学教授M.Pollicott氏のレビューを受ける事により新しい結果を出す事ができ共同論文を完成させた。方法論としては、先ず性質の良い集合上で定義されるJump transformationに関するゼータ関数ともとの非双曲型写像のゼータ関数の関連性を明らかとするというものである。又、平成12年12/4〜12/7日本大学の客員教授として札幌に滞在していたC.Liverani博士(ローマ大学)から有効なアドバイスを受ける事ができ、ゼータ関数に関するアプローチとは全く違う極めてSimpleな方法で、時間相関関数の減少のオーダーを評価する事ができた。具体的には、非双曲型周期軌道を除いたCompact set上で,transfer operatorの収束のオーダーを評価しそれをもとに,時関相関関数の減少のオーダーを得る事ができた。又Pressureに関する変分原理を非双曲型力学系に対して達成させるという問題に関しては,Weak Bounded Variationと呼ばれる性質をもつポテンシャルを捕えるという事により,良い方向性を見い出す事ができた。
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