研究分担者 |
岡 宏枝 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
神保 秀一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80201565)
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 講師 (90251610)
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研究概要 |
ノイマン問題のギンヅブルグ・ランダウ方程式に現われる渦糸の安定性は,領域の幾何学的形状に依存していることが知られている。3次元の薄いフィルム上の領域の問題は,2次元の変数係数の方程式で近似し,表面の縦方向の変化は変数の変化に置き換えることができる。森田と神保は,このような係数に非一様性を入れた方程式について安定な渦糸の存在を円盤領域で証明した。 ギンヅブルグ・ランダウ方程式の平衡状態における渦糸(領域が2次元のときは渦点)の配置の問題は非常に重要な問題で,数学的にも興味深い問題を提供している。森田と神保は,あるパラメータの特異極限で,渦点の運動を記述する方程式を導き,詳しい解析を行った。これによって渦点の衝突・消滅の仕方がかなり明らかになり,平衡状態における渦点の可能な配置についても大きな情報が得られた。 このような渦点の運動の研究は,反応拡散系に現われる遷移層の運動の問題と通じる部分が有り,森田は共同研究者との研究で,遷移層の衝突・消滅を新しい手法で調べ過去の結果より精密な評価を得た。また,池田はその共同研究者と遷移層を表わす解やパルス解の分岐構造について詳細な結果を得ている。二宮はその共同研究者と,特異極限で現われる遷移層のダイナミクスを記述した運動方程式について新しい成果を得た。 渦点の場合,特異極限の運動は常微分方程式で記述される。常微分方程式の解の時間的な変化を研究するためには,力学系の研究が欠かせない。森田や岡は,その共同研究者達とある種の常微分方程式の力学系について,大域的な運動やホモクリニック軌道の新しいタイプの分岐についての成果を得た。 ギンヅブルグ・ランダウ方程式の定常問題は楕円型方程式になる。四ツ谷と二宮はその共同研究者達と,楕円型方程式の解の構造についての研究を発展させ,色々な新しい成果を得ている。これらは将来,ギンヅブルグ・ランダウ方程式の研究にも通じると期待できる。 西成は物理的な視点からの研究を発展させた。また石渡とその共同研究者は,非線形問題に対する高度な数値計算法を発展させた。
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