研究課題/領域番号 |
11640142
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
福島 正俊 関西大学, 工学部, 教授 (90015503)
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研究分担者 |
前田 亨 関西大学, 工学部, 助教授 (20199623)
平嶋 康昌 関西大学, 工学部, 助教授 (80047399)
栗栖 忠 関西大学, 工学部, 教授 (00029159)
柳川 高明 関西大学, 工学部, 教授 (00031310)
石井 恵一 関西大学, 工学部, 教授 (80029420)
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キーワード | マルコフ過程 / デイリクレ形式 / 半マルティンゲール / ガウスの公式 / 伊藤の公式 / 抽象ウィーナー空間 / BV関数 / 特異確率制御 |
研究概要 |
研究代表者は、マルコフ過程X(t)とそれに対応するデイリクレ空間に属す関数uの合成としての汎関数u(X(t))が半マルテインゲールとなるための一般的で応用性に富む必要十分条件を与えることに成功した。従来代表者によって、そのための条件としてガウスの公式に相当する式が正則デイリクレ形式に関して成立し、且つ曲面要素に相当する符号付き測度が容量零の集合にチャージしないという条件が得られていたが、今回後半の条件は前半の条件から自動的に従うこと、およびこの簡単な判定条件がより一般の擬正則デイリクレ形式に関して成立することが証明され、一般性と応用力が著しく高まった結果、この一般論は代表者によって次のように直ちに応用された。 確率解析における基本公式として有名な伊藤の公式は2階連続的微分可能な関数との合成に関しては閉じているが、1階連続的微分可能な関数との合成に関しては閉じていない。代表者は伊藤の公式が閉じるために必要十分な中間的な関数族の特定に成功した。 また一般論が擬正則なデイリクレ形式という無限次元空間を許容する設定で行われたため、その典型的な場合である抽象ウイーナー空間上にBV関数族、カチオッポリ集合族なる従来有限次元空間上の幾何学的測度論で知られた概念を拡張し、対応するガウスの公式とスカラホード確率微分方程式を導出することに成功した。これらの成果は平成11年度中に論文としてまとめられ、既に一部は発表された。 この他に、代表者は1次元特異確率制御問題についてのTaksarの方法をデイリクレ形式を用いて再定式化し、長井-Zabczykの方法と結合して完成させ、目下論文として執筆中である。
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