退化楕円型方程式の実解析的研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11640150
• 研究機関: 茨城大学
• 研究代表者: 堀内 利郎 茨城大学, 理学部, 教授 (80157057)
• 研究分担者: 安藤 広 茨城大学, 理学部, 助手 (60292471) ; 下村 勝孝 茨城大学, 理学部, 助教授 (00201559) ; 大西 和栄 茨城大学, 理学部, 教授 (20078554) ; 堀畑 和弘 東北大学, 理学研究科, 助手 (10229239) ; 中井 英一 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (60259900)
• キーワード: 退化楕円型方程式 / 除去可能な特異点 / ソボレフの不等式 / ハーディーの不等式 / ポテンシャル論 / 非線型楕円型方程式

研究概要

本研究の目的は、実解析的方法を共通のキーワードとして領域の内部や境界で様々に退化をする楕円型作用素に関連する問題を、研究分担者が各自の専門分野間の有機的関係を深めながら、新しい進展を目指して総合的な共同研究を行うことにある。具体的には、以下のような成果が本年度にはあった。
(1)準線形退化楕円型方程式の解の特異点の除去可能性の研究:
非線形項の共役関数を用いたキャパシティや新しい解のアプリオリ評価を導入し、特異点が除去できるための必要十分条件がまとめられた。
(2)重複ラプラシアンに対する非線型問題の解析がハーディーの不等式との関連で行われた
(3)高階ハーディーの不等式のミッシング・タームの研究が行われた。
(4)昨年度に引き続き、領域で内部退化をする一般な楕円型方程式の解について調べられた。具体的には有界なソボレフ関数の範疇で補間理論を構築し実解析的な手法で解のなめらかさを調べられた。
(5)トーマス・フェルミ方程式の理論の高次元化について、ある程度見込みが付いた。

研究成果

• [文献書誌] 堀内利郎: "Removable singularities for semilinear degenerate elliptic equations and its applications"J.Math.of Kyoto Univi.. 40・1. 13-35 (2000)
• [文献書誌] 堀内利郎: "Some remarks on Kato's inequatity"J.of Inequalities and applications. (未定). (2001)
• [文献書誌] 堀内利郎: "Removable singularities for quasilinear degenerate elliptic equations with absorption term"J.of Math.Soc.of Japan. (未定). (2001)
• [文献書誌] 堀内利郎: "The potential theory for degenerate elliptic operators"Kyungpook Mathematical Journal. 40・1. 125-138 (2000)
• [文献書誌] 堀内利郎: "The Neumann boundary value problem for degenerate elliptic operators II"Far east Journal of Math.Sciences. 2・2. 235-250 (2000)
• [文献書誌] 堀内利郎: "The Neumann boundary value problem for degenerate elliptic operators III"Far east Journal of Math.Sciences.. 2・3. 345-363 (2000)