研究課題/領域番号 |
11640155
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
内藤 敏機 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60004446)
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研究分担者 |
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
加古 孝 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30012488)
牛島 照夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10012410)
村上 悟 岡山大学, 理学部, 教授 (40123963)
古用 哲夫 島根大学, 理学部, 教授 (40039128)
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キーワード | 関数微分方程式 / 周期解 / 概周期解 / 半群 / スペクトル / 全安定性 / 極限方程式 / 不動点定理 |
研究概要 |
微分方程式の安定性と周期解、概周期解の存在について次の観点から研究し成果を得た。まず取り上げた方程式の種類はバナッハ空間上の微分方程式および遅れをもつ関数微分方程式と、それに関連するボルテラ型の積分微分方程式である。用いた方法により得られた結果は以下のように区分できる。 1 無限の遅れをもつ自励線形関数微分方程式の解作用素の半群の生成作用素のスペクトルを解析した。半群がコンパクト性をもち、方程式の相空間が遅れ効果の緩やかな消滅性の条件を有する場合には、正規的なスペクトルの分布が判明し、解の安定性の精密な結果になった。 2 線形微分方程式は、作用素解析的に適当な関数空間上で、左辺の微分作用素と方程式の係数作用素から決定される作用素の差としてあらわさる。こうして得られる作用素の閉包作用素をとると、微分方程式から生成される発展半群の生成作用素になる。そしてこの生成作用素の逆作用素を構成することと、もとの線形微分方程式の非斉次方程式をとくこととが同等になる。解をさがすべき関数空間上で生成作用素のスペクトルを分析して、周期解、概周期解の存在について様々な結果が自然に出た。 3 概周期的な関数微分方程式においては、有界な解が存在し、それが全安定であれば漸近的概周期であり、その結果概周期解が存在することは既知の結果である。無限の遅れの場合には、全安定の定義において相空間のノルムのとり方は自然な2種類があるが、いずれのノルムで定義しても、相空間が遅れ効果の緩やかな消滅性の条件を有する場合には、同等であることが明らかになった。 4 中立型の積分方程式とその極限方程式の周期解および概周期解について調べ、極少解の理論をもちいて、線形方程式が周期解をもつための条件を調べた。また縮小写像およびシャウダーの第二定理をもちいた。
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